展示品解説

展示品解説 < 東京大空襲の罹災証明書

東京大空襲の罹災証明書

1945年3月10日の東京大空襲では死者10万人、負傷者11万人、罹災者100万人に達した。当時、東京に9万7千人が住んでいたとされる朝鮮人の場合、犠牲者の数はもちろん、その被災の実態すら分からない。

忠清北道出身の南漢吉氏(1911年~1976年)は、1943年7月に村の青年30数人と共に強制動員され東京の日本通運で働いていたときに大空襲にあった。

南漢吉氏は奇跡的に生き残ったが同僚25人が死亡した。

解放後、南さんは故郷へは帰らなかった。「犠牲になった仲間の親に会うことは出来ない」と、日本に残ったという。