土曜セミナー
◇第133回土曜セミナー
「日本の敗戦直前の在日朝鮮人社会-強制動員者の「逃走」と「帰鮮」希望者の急増」
日本敗戦の直前には在日朝鮮人は200万近くになっていたが、空襲・食料不足が深刻になると強制動員者逃亡は36%強になり、「帰鮮」して農業をしたいと希望する人が多くなった。これを資料に基づき実証し、日本人が戦争勝利を信じいていたこととの乖離を考察し、朝鮮人が自身の世界観を持ち行動していたことを明らかにしたい。
- 日 時
- 2025年 5月 17日(土)
- 講 師
- 樋口雄一(元高麗博物館館長)
1940年生まれ。元高麗博物館館長、中央大学政策文化総合研究所客員研究員。著書に『協和会-戦時下朝鮮人統制組織の研究』(社会評論社、1986年[増補改訂版2023年])、『協和会関係資料集』1~5(編・解題、緑蔭書房、1991年)、『戦時下朝鮮の農民生活誌』(社会評論社、1998年)、『戦時下朝鮮人労務動員基礎資料集』1~5(編・解題、緑蔭書房、2000年)、『戦時下朝鮮の民衆と徴兵』(総和社、2001年)、『日本の朝鮮・韓国人』(同成社、2002年)、『金天海-在日朝鮮人社会運動家の生涯』(社会評論社、2014年)、『植民地支配下の朝鮮農民』(社会評論社、2020年)、『戦時末朝鮮の農政転換-最後の朝鮮総督・阿部信行と上奏文』(社会評論社、2024年)など。 - 参加費
- 1,000円(会員800円、学生500円)
◇第134回土曜セミナー
「ドラマ『パチンコ』にみる在日の表象」
在米コリアンのミンジン・リーの小説『パチンコ』上・下巻(日本語版・文藝春秋、2020年)をドラマ化して2022年に配信を開始したApple TV+オリジナルシリーズ『PACHINKO パチンコ』(現在シーズン2まで配信中)。物語の舞台が植民地期朝鮮からスタートしているドラマ『パチンコ』は、日本ではいまひとつ知名度が上がらず、公開当初から話題となった海外との温度差が感じられます。今回の講演では、『パチンコ』の歴史表象や在日表象から、グローバルなメディア市場で歴史が物語として流通するポリティクスを浮き彫りにします。また、表象はもちろん、生産・消費・規制・アイデンティティという5つの「文化の回路」からドラマ『パチンコ』を読み解き、東アジアでの歴史対話とコミュニケーションの新たな可能性について考えます。
- 日 時
- 2025年 6月 7日(土)
- 講 師
- 玄 武岩 (ヒョン・ムアン、北海道大学教授)
1969年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。現在、北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院教授。専門はメディア文化論、日韓関係論。著書に『韓国のデジタル・デモクラシー』(集英社、2005年)、『統一コリア-東アジアの新秩序を展望する』(光文社、2007年)、『コリアン・ネットワーク-メディア・移動の歴史と空間』(北大出版会、2013年)、『「反日」と「嫌韓」の同時代史』(勉誠出版、2016年)、『〈ポスト帝国〉の東アジア-言説・表象・記憶』(青土社、2022年)、共・編著に『興亡の世界史18 大日本・満州帝国の遺産』(講談社、2010年)、『〈日韓連帯〉の政治社会学-親密圏と公共圏からのアプローチ』(青土社、2023年)、『グローバルな物語の時代と歴史表象- 『PACHINKO パチンコ』が紡ぐ植民地主義の記憶』(青弓社、2024年)など。 - 参加費
- 1,000円(会員800円、学生500円)
*事前の申し込みが必要です。
当館事務局まで電話・メールのいずれかでご連絡ください。
TEL : 03-3457-1088 MAIL : info@j-koreans.org
今までの開催リスト
※クリックすると詳細が表示されます。- セミナー
- 日付
- 講師
- テーマ
- 第1回
- 2006/3/4
- 姜 徳相(在日韓人歴史資料館館長)
- 日本の近現代史をどう考えるべきか Ⅰ
一橋大学教授を経て、現在、滋賀県立大学名誉教授。著書に『関東大震災』(中央公論社)、『朝鮮独立運動の群像』(青木書店)、『呂運亨評伝1:朝鮮三・一独立運動』(新幹社)、『呂運亨評伝2:上海臨時政府』(新幹社)、『錦絵の中の朝鮮と中国』(岩波書店)、編著に『現代史資料:朝鮮1~6』(みすず書房)など。
- 第2回
- 2006/4/1
- 李 成市(早稲田大学教授)
- 古代史からみた現代/現代からみた古代史
古代東アジアの国家形成、文化研究を核に、東アジアの地域文化研究を展開している。著書に『東アジア文化圏の形成』、『古代東アジアの民族と国家』、『東アジアの王権と交易』、『創られた古代』など多数。
- 第3回
- 2006/6/3
- 姜 徳相(在日韓人歴史資料館館長)
- 日本の近現代史をどう考えるべきか Ⅱ
~大日本帝国の生成・発展・滅亡~
一橋大学教授を経て、現在、滋賀県立大学名誉教授。著書に『関東大震災』(中央公論社)、『朝鮮独立運動の群像』(青木書店)、『呂運亨評伝1:朝鮮三・一独立運動』(新幹社)、『呂運亨評伝2:上海臨時政府』(新幹社)、『錦絵の中の朝鮮と中国』(岩波書店)、編著に『現代史資料:朝鮮1~6』(みすず書房)など。
- 第4回
- 2006/7/1
- 鄭 早苗(大谷大学教授)
- 多文化共生社会への取り組み
大阪国際理解教育研究センター(KMJ)理事長。著書に『韓国・朝鮮を知るための55章』(共著・岩波書店)、『ともに生きる社会 : 在日コリアンの人権を考える』(共著・大阪国際理解教育研究センター)など。
- 第5回
- 2006/8/5
- 姜 徳相(在日韓人歴史資料館館長)
- 日本の近現代史をどう考えるべきか Ⅲ
~日本の敗戦とサンフランシスコ条約~
一橋大学教授を経て、現在、滋賀県立大学名誉教授。著書に『関東大震災』(中央公論社)、『朝鮮独立運動の群像』(青木書店)、『呂運亨評伝1:朝鮮三・一独立運動』(新幹社)、『呂運亨評伝2:上海臨時政府』(新幹社)、『錦絵の中の朝鮮と中国』(岩波書店)、編著に『現代史資料:朝鮮1~6』(みすず書房)など。
- 第6回
- 2006/9/9
- 朴 慶南(作家)
- ホンモノの信頼関係を築く
各地の講演会で人間としての尊厳と命の大切さを楽しく伝え歩いている。著書に『ポッカリ月がでましたら』、『クミヨ!』、『私以上でもなく、私以下でもない私』など多数。
- 第7回
- 2006/10/7
- 佐々木直子(韓国料理研究家)
- 秋タ(추석)の食べ物と飲み物を味わおう!
- 第8回
- 2006/11/4
- 李 節子(東京女子医科大学大学院看護学研究科助教授)
- 在日コリアンの人口動態からみた健康課題
在日外国人の母子保健研究の第一人者。看護専門職への「国籍条項」を卒論にまとめて旧自治省を動かし、「壁」は全国的に撤廃された。1995年、東京大学で博士号を取得。日本国際保健医療学会理事。東京大学大学院国際保健学専攻発達医療学客員研究員。
- 第9回
- 2007/2/3
- 呉 徳洙(映画監督)
- 映画「在日」の上映と在日を語る
早稲田大学卒。1998年制作の映画『在日(戦後在日五〇年史』で98年度日本映画ペンクラブ1位入賞、98年度キネマ旬報ベストテン2位入賞。他に記録映画『指紋押捺拒否』、『祭祀』など。
- 第10回
- 2007/3/3
- 金 順子(韓国舞踊家)
- 在日として韓国舞踊を語る
在日2世。10代より本格的に韓国伝統芸術に取り組み、本国の多くの人間文化財に師事。韓国無形文化財第92号太平舞保存会日本東京支部長、太平舞履修者。社団法人韓国国楽協会日本関東支部長。
- 第11回
- 2007/4/7
- 朴 一(大阪市立大学大学院教授)
- 戦後を駆け抜けた二人の在日コリアン
~新井将敬と孫正義~
1956年兵庫県尼崎市生まれ。商学博士。専攻は朝鮮半島の政治と経済、日韓・日朝関係論。著書に『在日という生き方』(講談社)、『「在日コリアン」ってなんでんねん』(講談社)、『朝鮮半島を見る眼』(藤原書店)など多数。
- 第12回
- 2007/6/2
- 鄭 大聲(滋賀県立大学名誉教授)
- キムチ博士が語る、韓国料理と健康
発酵食品、食の文化、朝鮮半島の食文化を専門分野として研究に取り組む。著書に『焼肉は好きですか?』(新潮選書)、『朝鮮半島の食と酒』(中公新書)、『ヘルシーキムチ』(祥伝社)など。
- 第13回
- 2007/7/7
- 金 升子(国際医療福祉大学保健医療学部看護学科准教授)
- 病気や老いと上手に付き合うために
国立栃木病院、日大医学部付属板橋病院で看護師、自治医療大学での看護婦(師)長、治験薬担当(CRC)を経て2002年から現職。
- 第14回
- 2007/8/4
- 姜 徳相(在日韓人歴史資料館館長)
- 錦絵から見た幕末「明治」の東アジア観
一橋大学教授を経て、現在、滋賀県立大学名誉教授。著書に『関東大震災』(中央公論社)、『朝鮮独立運動の群像』(青木書店)、『呂運亨評伝1:朝鮮三・一独立運動』(新幹社)、『呂運亨評伝2:上海臨時政府』(新幹社)、『錦絵の中の朝鮮と中国』(岩波書店)、編著に『現代史資料:朝鮮1~6』(みすず書房)など。
- 第15回
- 2007/9/1
- 内藤正中(島根大学名誉教授)
- 竹島問題、解決の方途をさぐる
著書に『島根県の百年』、『日本海地域の在日朝鮮人』、『竹島(鬱陵島)をめぐる日韓関係史』、『島根県下在日コリアンの歴史』など。
- 第16回
- 2007/10/6
- 姜 徳相(在日韓人歴史資料館館長)
- 関東大震災八十四年を迎えて
一橋大学教授を経て、現在、滋賀県立大学名誉教授。著書に『関東大震災』(中央公論社)、『朝鮮独立運動の群像』(青木書店)、『呂運亨評伝1:朝鮮三・一独立運動』(新幹社)、『呂運亨評伝2:上海臨時政府』(新幹社)、『錦絵の中の朝鮮と中国』(岩波書店)、編著に『現代史資料:朝鮮1~6』(みすず書房)など。
- 第17回
- 2007/11/3
- 俵 義文(子どもと教科書全国ネット21事務局長)
- 沖縄戦「集団自決」教科書検定と
「つくる会」教科書の行方
教育・教科書問題を中心に各誌に論文・評論・エッセイなどを掲載。『あぶない教科書NO!』(花伝社)など著書・共著書多数。各地で講演活動。
- 第18回
- 2007/12/1
- 映画上映会
- 在日朝鮮人「慰安婦」宋神道のたたかい
「オレの心は負けてない」
*上映後、「支える会」関係者を交え、質疑応答を予定。
制作:在日の慰安婦裁判を支える会
監督:安海龍
撮影:梁澄子、安海龍、朴正植
編集:田中藍子
効果編集:金徳奎
音楽:張在孝、孫晟勲
ナレーション:渡辺美穂子
- 第19回
- 2008/2/2
- 菊池和子(写真家)
- カメラを通してみた在日一世の哀歓
1945年、中国生まれ。1968年から2020年まで東京都公立小学校教諭。1994年より現代写真研究所で写真を学ぶ。写真集『しんちゃん』(草土文化、2001年)、写真集『チマ・チョゴリの詩がきこえる』(小学館、2005年)、『釜山できく元在日の詩』(かもがわ出版、2007年)などを出版。
- 第20回
- 2008/3/4
- 辛 淑玉(人材育成コンサルタント)
- 生き抜いてきた在日
~多文化・多民族共生の課題~
1995年(株)香料舎設立。企業、自治体、教育機関などの人材育成、人権に関わる研修・講演活動を行う。2006年はカリフォルニア大学サンディエゴ校客員研究員として1年間滞米、人権問題に取り組む。「痛快おんな組」(朝日ニュースター)にレギュラー出演中。著書に『悪あがきのすすめ』、『怒らない人』、『せっちゃんのごちそう』など。
- 第21回
- 2008/4/5
- 李 成市(早稲田大学教授)
- 壇君神話を通してみた朝鮮近・現代史
古代東アジアの国家形成、文化研究を核に、東アジアの地域文化研究を展開している。著書に『東アジア文化圏の形成』、『古代東アジアの民族と国家』、『東アジアの王権と交易』、『創られた古代』など多数。
- 第22回
- 2008/6/7
- 夫 歌寛(シンガーソングライター)
- 「愛(サラン)と平和(ピョンファ)を語る」
1954年大阪猪飼野生まれ。25歳のときにギターを持ち歌の旅に出る。日本全国の路上やライブハウスで歌い6年後に東京へたどり着く。メッセージ性の強い弾き語りが支持を受け多方面でコンサートを行う。2002年からはバンドでのライブ活動を始める。現在オリジナル曲は500曲を超える。
- 第23回
- 2008/7/5
- 朴 一(大阪市立大学大学院教授)
- 孫正義(ソフトバンク社長)の企業家精神と
エスニック・アイデンティティ
1956年兵庫県尼崎市生まれ。商学博士。専攻は朝鮮半島の政治と経済、日韓・日朝関係論。著書に『在日という生き方』(講談社)、『「在日コリアン」ってなんでんねん』(講談社)、『朝鮮半島を見る眼』(藤原書店)など多数。
- 第24回
- 2008/8/2
- 坂上 弘(作家、日本文藝家協会理事長)
- 金鶴泳・同時代作家として、友として
慶應義塾大学在学中の19歳の時、「息子と恋人」で芥川賞候補となるなど、常に注目される作家として数多くの作品を発表。『田園風景』で第45回野間文芸賞(1992年)、短編『台所』で第24回川端康成文学賞(1997年)を受賞。現在、慶應義塾大学出版会会長。
- 読書と酒の会
- 2008/9/6
- 文 弘樹(図書出版クレイン代表)
田口信孝(群馬県立土屋文明記念文学館学芸員)
櫻井信栄(金鶴泳研究者) - 読書と酒の会「『凍える口』の朗読と金鶴泳を語る」
- 第25回
- 2008/9/13
- 山田昭次(立教大学名誉教授)
姜 徳相(在日韓人歴史資料館館長) - フィールドワーク
関東大震災の史跡をめぐるI(東京・千葉)
『関東大震災時の朝鮮人虐殺―その国家責任と民衆責任』(創史社)、『植民地支配・戦争・戦後の責任』(創史社)など著書多数。
②姜徳相(滋賀県立大学名誉教授、当館館長)
『関東大震災』(中公新書)、『錦絵の中の朝鮮と中国』(岩波書店)など著書多数。
- 大阪特別展記念セミナー
- 2008/9/21
- 秋定嘉和(大阪人権博物館館長)
姜 徳相(在日韓人歴史資料館館長) - 朝鮮史研究会から大阪人権博物館へ
在日韓人歴史資料館開設の意味と今後の課題
- 大阪特別展記念セミナー
- 2008/9/27
- 姜在彦(歴史学者)
朴 一(大阪市立大学大学院教授) - 在日歴史家として半世紀を語る
力道山-海峡を越えた民
- 大阪特別展記念セミナー
- 2008/10/5
- 水野直樹(京都大学教授)
鄭早苗(大谷大学教授) - 資料から読む在日の歴史
太王四神記の時代-4世紀末から5世紀の東アジア
- 第26回
- 2008/11/8
- 呉 徳洙(映画監督)
- 日本映画に描かれた在日
1966年『白昼の通り魔』の助監督をはじめ、数本の作品に助監督として関わる。1968年東映東京製作所に入所。1979年東映を退社、OH企画を設立。主な監督作品に『指紋押捺拒否』(1984年)、記録映画『在日』(1997年)など。
- 第27回
- 2008/12/6
- 樋口雄一(高麗博物館館長)
- 朝鮮農民と在日一世女性の食
朝鮮史研究者。在日朝鮮人運動史研究会代表。
主な著書に『戦時下朝鮮の農民生活誌―1939~1945』(1998年)、『日本の朝鮮・韓国人』(2002年)、『朝鮮人戦時労働動員』(共著、2005年)など。
- 第28回
- 2009/1/31
- 小田川 興(元朝日新聞ソウル支局長)
- 38度線・非戦への旅
早稲田大学、聖学院大学教授。在韓被爆者問題市民会議幹事。朝鮮半島ウォッチ40年。韓国の北方外交、南北国連同時加盟を取材。近著『38度線・非武装地帯を歩く』(高文研)のほか、『日朝交渉―課題と展望』(2003年)、『北朝鮮問題をどう解くか』(2004年)など。
- 第29回
- 2009/3/7
- 李 龍植(丹波マンガン記念館館長)
- マンガンに生きた朝鮮人と部落
1960年京都府生まれの在日2世。19歳からマンガン鉱山採掘夫として働く。1984年からは硅石鉱山、金鉱山、タングステン鉱山、長石鉱山での採掘に従事。86年から丹波マンガン記念館建設開始、89年開館。95年二代目館長に就任。2006年白頭鉱業(有)代表取締役に就任。
- 第30回
- 2009/4/11
- 山田昭次(立教大学名誉教授)
姜 徳相(在日韓人歴史資料館館長) - フィールドワーク
関東大震災の史跡をめぐるII(埼玉・群馬)
今回は埼玉県(熊谷・本庄)と群馬県(藤岡)の史跡を巡ります。コースは、資料館→首都高速→関越道→嵐山小川IC→熊谷→(桜の名所見学)本庄→藤岡→藤岡IC→資料館になります。貸切バスで移動します。
*資料館出発10時(9時45分集合)
『関東大震災時の朝鮮人虐殺―その国家責任と民衆責任』(創史社)、『植民地支配・戦争・戦後の責任』(創史社)など著書多数。
②姜徳相(滋賀県立大学名誉教授、当館館長)
『関東大震災』(中公新書)、『錦絵の中の朝鮮と中国』(岩波書店)など著書多数。
- 第31回
- 2009/6/6
- 姜 徳相(在日韓人歴史資料館館長)
- 図録解説 『写真で見る在日コリアンの100年』
苦難と誇りに満ちた在日100年の歴史を当館の姜徳相館長がわかりやすく解説する。図録に込めた館長の熱い思いとともに…。
一橋大学教授を経て、現在、滋賀県立大学名誉教授。著書に『関東大震災』(中央公論社)、『朝鮮独立運動の群像』(青木書店)、『呂運亨評伝1:朝鮮三・一独立運動』(新幹社)、『呂運亨評伝2:上海臨時政府』(新幹社)、『錦絵の中の朝鮮と中国』(岩波書店)、編著に『現代史資料:朝鮮1~6』(みすず書房)など。講 師:鄭大聲(滋賀県立大学名誉教授。理学博士)
- 第32回
- 2009/7/4
- 邊 龍雄(ぴょんぴょん舎 代表)
- 盛岡冷麺ものがたり
ある在日一世が故郷の味にこだわり「冷麺」をはじめた。それは盛岡市内の30数軒の焼肉店で「平壌冷麺」となった。在日二世の邊氏は日本とコリアの食文化を融合して新たな食として「盛岡冷麺」を創り出した。
セミナーでは去る3月、岩手朝日テレビで放映された「ザ・ルーツ 俺たちの盛岡冷麺」(50分)を上映後、「冷麺は自分自身」と言う講師が「冷麺」の歴史を語る。
在日二世。岩手県盛岡市で家業の屑鉄屋を手伝う。事業転換し、1987年「盛岡冷麺」を看板にした「ぴょんぴょん舎」を開店。2008年4月東京のギンザ・グラッセ11階にぴょんぴょん舎「GINZA UNA」をオープン。
- 第33回
- 2009/9/5
- 呉 文子(エッセイスト)
- 私の歩みをとおして
「あの頃はまさに『南・北と日本のはざまで』の激動の時代のただなかで苦しみ、あがきながら在日を生きてきました」(呉文子)
波乱の人生を歩んだ講師が自分史をとおして在日と日本との関わりをあたたかく語る。
在日二世。東洋音楽短期大学(現東京音楽大学)卒業。同人誌『鳳仙花』の創刊(1991年)より20号まで、同人代表。在日女性文学誌『地に舟をこげ』編集委員。著書に『パンソリに想い秘めるとき・ある在日家族のあゆみ』(学生社、2007年)。
- 第34回
- 2009/10/3
- 鄭 大聲(滋賀県立大学名誉教授)
- 秋夕(チュソク・旧盆)にマッコリを楽しもう
発酵食品、食の文化、朝鮮半島の食文化を専門分野として研究に取り組む。キムチ博士としてテレビ出演多数。著書に『朝鮮の酒』(築地書館)、『ヘルシーキムチ』(祥伝社)、『焼肉は好きですか?』(新潮選書)など。
- 第35回
- 2009/11/7
- 松本昌次(影書房代表)
- 炎の人、呉林俊さんを想う
1927年10月、東京生まれ。高校講師等を経て1953年4月から83年5月まで編集者として未来社に勤務。83年6月影書房を創業。現在に至る。著書に『戦後文学と編集者』、『戦後出版と編集者』(一葉社)、『わたしの戦後出版史』(トランスビュー)など。
- 第36回
- 2009/12/12
- 伊藤利勝(愛知大学教授)
姜 徳相(在日韓人歴史資料館館長) - 多文化共生社会のあやうさ
敗戦直後、日本の民主主義と在日
- 第37回
- 2010/2/6
- 中塚 明(奈良女子大学名誉教授)
- 司馬遼太郎の朝鮮観・『坂の上の雲』に思う
近代日本における朝鮮問題の重要性を指摘し、日清戦争をはじめ日朝関係の歴史を主に研究。
著書に『近代日本と朝鮮』(三省堂)、『蹇蹇録の世界』(みすず書房)、『これだけは知っておきたい日本と韓国・朝鮮の歴史』『司馬遼太郎の歴史館』(以上、高文研)など。
- 第38回
- 2010/3/6
- 田 月仙(ソプラノ歌手)
- 海峡のアリア・在日歌姫の想い
二期会会員。世界各国でオペラやコンサートに出演するなど、国境を越えた音楽活動を展開している。著書「海峡のアリア』は2006年第13回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。
- 第39回
- 2010/4/10
- 山田昭次(立教大学名誉教授)
姜 徳相(在日韓人歴史資料館館長) - フィールドワーク
関東大震災の史跡をめぐるIII(神奈川)
コースは、資料館→菊名山蓮勝寺→久保山墓地(西区)→宝生寺(南区)→中村川・大岡川(黄金町)→開港記念館→東漸寺(鶴見区)→資料館になります。貸切バス(50名)で移動します。
*資料館出発10時(9時45分集合)
『関東大震災時の朝鮮人虐殺―その国家責任と民衆責任』(創史社)、『植民地支配・戦争・戦後の責任』(創史社)など著書多数。
②姜徳相(滋賀県立大学名誉教授、当館館長)
『関東大震災』(中公新書)、『錦絵の中の朝鮮と中国』(岩波書店)など著書多数。
- 第40回
- 2010/6/5
- 朴 一(大阪市立大学大学院教授)
- 力道山伝説-海峡を越えた民
力道山の研究者でもある講師は朝鮮で生まれた金信洛はなぜ日本に渡ってきたのか、なぜ彼はプロレスラーに転向したのか、なぜ力道山は殺されたのか…などを詳しく語ります。秘蔵映像も紹介します。
1956年兵庫県尼崎市生まれ。商学博士。専攻は朝鮮半島の政治と経済。日韓・日朝関係論。著書に『在日という生き方』(講談社)、『「在日コリアン」ってなんでんねん』(講談社)、『朝鮮半島を見る眼』(藤原書店)など多数。
- 第41回
- 2010/7/3
- 鈴木裕子(女性史研究家)
- 山川菊栄と朝鮮・韓国
いわば、日本における「脱帝国のフェミニズム」の提唱者ともいえます。勿論、時代的制約等があって、批判的に検証する面もあります。(鈴木裕子)
東京生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了。著書に『従軍慰安婦・内鮮結婚』(未来社)、『自由に考え、自由に学ぶ 山川菊栄の生涯』(労働大学)、『フェミニズムと朝鮮』(明石書店)など多数。
- 第6回企画展記念
- 2010/7/17
- 犬養光博(日本基督教団福吉伝道所牧師)
- セッピョル(明星)を見上げつつ
-「在日」の「今」を生きた崔昌華牧師-
- 第42回
- 2010/9/11
- 田中正敬(専修大学教員)
- 震災時の朝鮮人虐殺を捉える
-地域での調査が明らかにしたことと国家責任-
関東大震災時に虐殺された朝鮮人については、その名前さえもほとんどわかっていません。なぜでしょうか。この問題を地域の視点から時系列に見ることによって、事件を隠蔽した国家の姿が見えてきます。
東京生まれ。一橋大学大学院博士後期課程修了。著書に『関東大震災における朝鮮人虐殺事件と現在』(日朝協会編集・発行)、『世界史としての関東大震災-アジア・国家・民衆』(日本経済評論社、共編著)など。
- 第43回
- 2010/10/31
- 田中敬子(力道山夫人)
- 夫・力道山の慟哭
- 第44回
- 2010/12/4
- 島村恭則(関西学院大学社会学部教授)
朴 一(大阪市立大学大学院教授) - 戦後を生き抜いたコリアンたち~福岡市での集住とくらし
力道山伝説~金信洛はなぜ日本に渡ったのか~
- 第45回
- 2011/2/5
- 田中 宏(一橋大学名誉教授)
- 定住外国人と多文化共生
国際化を唱える日本で、日本人と定住外国人が共に生きる社会は本当に実現可能でしょうか?
自由人権協会代表理事、「定住外国人の地方参政権を実現させる日・韓・在日ネットワーク」共同代表等で活躍中。著書に『在日外国人・新版-法の壁、心の溝』(岩波新書)、『来日外国人人権白書』(共著・明石書店)、『日韓「共生社会」の展望』(共著・新幹社)など多数。
- 第46回
- 2011/3/5
- 宋連玉(青山学院大学教授)
- 映画で見る朝鮮戦争の記憶
映画作品を通して朝鮮戦争がどのように記憶されてきたのかを考えます。
大阪生まれ。専門は朝鮮近現代史、ジェンダー史。韓国文化作品を通した日韓関係史など幅広く研究。
著書に『脱帝国フェミニズムを求めて-朝鮮女性と植民地主義』(有志舎)、『軍隊と性暴力-朝鮮半島の20世紀』(編著・現代史料出版)など多数。
- 第47回
- 2011/4/2
- 金璟炯(1922年生まれ、在日1世)
- 済州島四・三事件を生きぬいて
1922年済州島生まれ。父が働く日本と母がいる済州島を往復しながら西宮市立商業学校(現兵庫県立西宮高等学校)を卒業。1947年、済州島へ帰り南朝鮮労働党に入党。1948年10月、闘争資金調達の補助員として大阪に派遣される。東京、埼玉を経て現在、群馬県在住。
- 第48回
- 2011/6/4~6/5
- フィールドワーク2011
- 松代大本営跡をめぐる
- 第49回
- 2011/7/2
- 孫正寅(民団横浜支部事務部長)
- 植民地期と解放後の在日を語る
-父・孫基禎(ソン・キジョン)を中心に-
1943年ソウル生まれ。1967年、韓日国交正常化後の留学一期生として日本に留学。明治大学大学院修士課程修了。1976年~1997年まで民団中央本部国際局長、民生局長を歴任。1999年から現職。
- 第50回
- 2011/9/3
- 呉充功(映画監督)
- 記録映画が語る関東大震災時の朝鮮人虐殺
-映画上映と監督トーク-
その3年後に製作された「払い下げられた朝鮮人」には、今では聞くことのできない貴重な証言などが詰まっています。
呉充功監督を囲んで関東大震災時の朝鮮人虐殺について考えます。
(1983年、麦の会製作、58分)
②15:05~15:58 『払い下げられた朝鮮人』
-副題名「関東大震災と習志野収容所」-
(1986年、麦の会製作、53分)
講 演:呉充功監督のトークと質疑応答
(16:10~17:00)
- 第51回
- 2011/10/1
- 愼蒼宇(都留文科大学講師)
- 『戦争』の視点から日本と朝鮮半島の関係を考える
1970年東京都生まれ。都留文科大学・明治大学・千葉大学非常勤講師。専門は近代朝鮮史。著書に『植民地朝鮮の警察と民衆世界-「近代」と伝統をめぐる政治文化-』(有志舎、2008年)、論文として「韓国軍人の抗日蜂起と「韓国併合」」(『思想』2010年1月号)など。
- 第52回
- 2011/11/12
- 語り手:新井麻里子
聞き手:朴 一 - 今だから語れる夫・新井将敬(元衆議院議員)
京都大学医学部受験に失敗、「民族差別ではないか」と思う。東京大学理科1類に入学後「帰化」。新日鐵に入社後1973年に大蔵省に入省。1983年衆議院選挙に立候補して落選。1986年衆議院選挙で当選。「元在日コリアン」の国会議員として注目されたがバッシングも激化…
出会いから30年間共に暮らした夫人が夫・新井将敬を語ります。
福島県生まれ。JAL国際線スチュワーデスを1年で辞め、上智大学法学部に入学。新井将敬と学生結婚。4人の子どもを育てる。2005年『最後の恋文 天国のあなたへ』を出版。
聞き手:朴 一(大阪市立大学大学院教授)
専門は日韓・日朝関係論。著書に『「在日コリアン」ってなんでんねん?』、『僕たちのヒーローはみんな在日だった』他多数。
- 第53回
- 2011/12/3
- 金石範(作家)
- 101年目に思うこと、伝えたいこと
済州島出身の両親のもと1925年大阪で生まれる。『鴉の死』(新興書房、1967年)、『万徳幽霊奇譚』(筑摩書房、1971年)、『往生異聞』(集英社、1979年)、『火山島』(全7巻、文藝春秋、1983~1997年)、など著書多数。現在、雑誌『世界』に「過去からの行進」を連載中(2009年4月号~2011年12月号)。
- 第54回
- 2012/2/4
- 朴鐘碩(日立就職差別裁判元原告)
- 「日立闘争」から41年、定年退職を迎えて
1951年愛知県生まれ。1970年、「日本名」で日立製作所の入社試験に合格。しかし国籍を理由に採用を取消され訴訟を起こす。4年後勝訴し、日立製作所に入社。「外国人への差別を許すな・川崎連絡会議」事務局長。共著に『日本における多文化共生とは何か-在日の経験から』(新曜社、2008年)。
- 第55回
- 2012/3/10
- 徐京植(作家、東京経済大学現代法学部教授)
- フクシマを歩いて
マイノリティの視点から見えたもの
マイノリティとしてフクシマをどう見るべきか。震災1周年に考える。(徐京植)
1951年、京都市生まれの在日二世。東京経済大学現代法学部教授。著書に『子どもの涙―ある在日朝鮮人の読書遍歴』(柏書房)、『分断を生きる「在日」を越えて』(影書房)、『ディアスポラ紀行-追放された者のまなざし』(岩波新書)、『夜の時代に語るべきこと―ソウル発「深夜通信」』(毎日新聞社)など多数。
- 第56回
- 2012/4/14
- 宮田節子(学習院大学東洋文化研究所客員研究員)
- 同化と差別について
植民地期を中心に
朝鮮近代史専門。朝鮮史研究会創設に携る。学習院大学東洋文化研究所に所蔵される元朝鮮総督府官僚への聞き取り調査資料収集の中心的人物として録音記録の文章化を行い『東洋文化研究』に掲載中。著書に『朝鮮民衆と「皇民化」政策』(未来社)、『創氏改名』(共著、明石書店)など。
- 第57回
- 2012/6/2
- 金文子(「朝鮮王妃殺害と日本人」著者)
- 明成皇后殺害について
兵庫県生まれの在日二世。1970年、大阪府立北野高等学校卒。1979年、奈良女子大学文学部修士課程終了。1986年3月まで同大学文学部助手。1998年4月からは大学事務補佐員。論文に「三・一運動と金允植-独立請願書事件を中心に」(『寧楽史苑』29号、奈良女子大学史学会、1984年3月)など。
- 第58回
- 2012/7/7
- 金富子(東京外国語大学大学院教授)
- なぜ在日朝鮮人一世たちは文字が読めなかったのか
ジェンダーの視点からみる植民地教育
青森県生まれの在日二世。専門はジェンダー史・ジェンダー論、植民地期朝鮮教育史。著書に『継続する植民地主義とジェンダー』(世織書房)、『植民地期朝鮮の教育とジェンダー:就学・不就学をめぐる権力関係』(世織書房)。共著に『性と権力関係の歴史』(青木書店)、『歴史と責任』(青木書店)など多数。
- 第59回
- 2012/11/10
- 姜徳相(在日韓人歴史資料館館長)
- ソウル特別展を終えて思うこと
一橋大学教授を経て、現在、滋賀県立大学名誉教授。著書に『関東大震災』(中央公論社)、『朝鮮独立運動の群像』(青木書店)、『呂運亨評伝1:朝鮮三・一独立運動』(新幹社)、『呂運亨評伝2:上海臨時政府』(新幹社)、『錦絵の中の朝鮮と中国』(岩波書店)、編著に『現代史資料:朝鮮1~6』(みすず書房)など。
- 第60回
- 2012/12/1
- 桜井 泉(朝日新聞記者)
- 12・19 韓国大統領選挙の行方
1984年朝日新聞社入社、熊本、福岡県飯塚市、北九州市などで勤務。1997年、2002年の大統領選を韓国で取材。取材や旅行で、韓国全土に足を運んだ。共著に「歴史は生きている 東アジアの近現代がわかる10のテーマ」(朝日新聞出版)、「韓流ハンドブック」(新書館)、「新聞記者が高校生に語る 日本と朝鮮半島100年の明日」(彩流社)。
- 第61回
- 2013/2/2
- 朴炳渉(竹島=独島問題研究ネット代表)
- 竹島=独島問題研究の最前線
1966年東京教育大学修士課程修了。韓国語学研修を経て日本企業に勤務。『半月城通信』(ウェブサイト)で「従軍慰安婦」問題や竹島=独島問題などを発信。著書に『韓末期の欝陵島・独島漁業』(韓国海洋水産開発院)、『安龍福事件に対する検証』(同)、共著に『竹島=独島論争』(新幹社)、訳書に『欝陵島・独島(竹島)歴史研究』(同)などがある。
- 第62回
- 2013/3/2
- 高柳俊男(法政大学国際文化学部教授)
- 日本の農山村に残る朝鮮半島の生活文化
-長野県・伊那谷から考える-
1956年生まれ。専門は朝鮮近現代史、在日朝鮮人史。大学1年の時に、NHKに朝鮮語講座を要望する署名運動に出会い、そこに集まった仲間と「鐘声の会」を結成。現在まで読書会活動を継続するとともに『鐘声通信』を月刊で発行している。
- 第63回
- 2013/4/6
- 有光健、李鶴来、岡田泰平
「同進会」を応援する会世話人
韓国・朝鮮人元BC戦犯者「同進会」会長
成蹊大学文学部助教·「同進会」を応援する会世話人 - 未解決の韓国・朝鮮人BC級戦犯問題を考える
-これまでの歩みと現状、そして今後の課題-
李鶴来(韓国・朝鮮人元BC級戦犯者「同進会」会長)
岡田泰平(成蹊大学文学部助教、「同進会」を応援する会世話人)
- 第64回
- 2013/6/1
- 雨宮 剛(青山学院大学名誉教授)
- もう一つの強制連行
-謎の農耕勤務隊にこだわり続けて-
1934年、愛知県生まれ。1957年青山学院大学文学部英米文学科卒業。1962年米国コロンビア大学大学院修士課程卒業(MA)。2003年まで青山学院大学教授。LHD(人文学博士)。昨年、「もうひとつの強制連行・謎の農耕勤務隊-足元からの検証-」を自費出版。
- 第65回
- 2013/7/6
- 川田文子(ノンフィクション作家)
- 2人、あるいは3人の在日「慰安婦」
- 「慰安婦」に加えられた「強制」の本質 -
茨城県生まれ。早稲田大学文学部卒業。日本の戦争責任資料センター共同代表。在日の慰安婦裁判を支える会所属。現在、在日ハルモニ(おばあさん)の戦中戦後を取材中。著書に『赤瓦の家-朝鮮から来た従軍慰安婦』(筑摩書房)、『イアンフとよばれた戦場の少女』(高文研)、『「慰安婦」問題が問うてきたこと』(共著、岩波ブックレット)他。
- 第66回
- 2013/9/7
- 呉徳洙(映画監督)
- 本映画に描かれた「在日」Ⅱ
上 映: 『 あれが港の灯(ひ)だ 』
(今井正監督、東映、1961年、105分)
講 演:呉徳洙(映画監督)(16:00~17:00)
秋田県鹿角市生まれ。早稲田大学文学部卒業。「在日を映像で記録する会」代表。東映退社ののちOH(オー)企画設立。主な作品に『車イスの道』、『指紋押捺拒否』、『ナウ!ウーマン土井たか子』、『まさあきの詩』、『民族の祈り・祭祀(チェサ)』、『戦後在日五○年史・在日』他。
- 第9回企画展記念
- 2013/9/14
- 1部:姜徳相
2部:山本すみ子、西崎雅夫、平形千恵子 - 関東大震災から90年、清算されない過去
-関東大震災90周年・朝鮮人犠牲者追悼-
1部 朝鮮人虐殺をどうみるか-日本の朝鮮観の形成
2部 関東地域における虐殺実態と真相究明活動の現状
- 第67回
- 2013/10/5
- 鄭栄桓(明治学院大学准教授)
- 在日朝鮮人にとって“4.28”とは何であったか
- 講和・国籍・植民地支配責任-
千葉県生まれ。在日朝鮮人史・朝鮮近現代史を専攻。立命館大学コリア研究センター専任研究員を経て、現職。著書に『朝鮮独立への隘路-在日朝鮮人の解放五年史』(法政大学出版局、2013年)、論文に「植民地の独立と人権 在日朝鮮人の『国籍選択権』をめぐって」(『PRIME』36号、明治学院大学国際平和研究所、2013年)ほか多数。
- 第68回
- 2013/11/2
- 山本興正(東京大学大学院総合文化研究科博士課程)
- 梶村秀樹と日本の排外主義
-『排外主義克服のための朝鮮史』を中心に考える-
愛知県安城市生まれ。研究テーマは、朝鮮史研究者・梶村秀樹の思想と社会関与について。また日本の入管体制(とそれに対する反対運動)についても関心がある。共訳書に、金廣烈ほか著『帝国日本の再編と二つの「在日」—戦前戦後における在日朝鮮人と沖縄人』(明石書店、2010)がある。
- 第69回
- 2013/12/7
- 李羲八(樺太帰還在日韓国人会会長)
- サハリンに置き去りにされた朝鮮人
-残された同胞の帰還を求めて-
1923年慶尚北道生まれ。1943年5月、募集で樺太へ。2年契約満了後に現地徴用される。1958年、日本人の碓井英子(故人)さんの夫として日本に引き揚げる。
聞き手:長澤秀(在日朝鮮人運動史研究会会員)
日本各地の炭鉱での強制連行を研究していた1980年頃に、サハリンの炭鉱に連行された朝鮮人のことを知り、それ以後、長年樺太帰還在日韓国人会の聞き書きを続けている。
- 第70回
- 2014/2/1
- 金耿昊(東京大学大学院総合文化研究科博士課程)
- 日朝鮮人社会における「貧困」の現在と過去
-生活保護「問題」を中心に-
神奈川県横須賀市生まれ。在日三世。1984年生。専攻は在日朝鮮人史、社会運動史。とりわけ解放後における在日朝鮮人の生活権擁護運動。解放後の在日朝鮮人史を民族差別と貧困の観点からとらえなおす試みを目下の課題としている。編著に『在日朝鮮人生活保護資料(在日朝鮮人資料叢書 8)』(緑蔭書房、2013)等がある。
- 第71回
- 2014/3/1
- 金貴粉(国立ハンセン病資料館学芸員)
- 在日朝鮮人とハンセン病
現在、在日朝鮮人ハンセン病患者史、ハンセン病患者による芸術活動を主な研究テーマとして活動している。論文に「解放後における在日朝鮮人ハンセン病患者の「位置」-1945年から1950年代を中心にー」(『クァドランテ』9、東京外国語大学海外事情研究所)、「在日朝鮮人ハンセン病患者と出入国管理体制」(『学術論文集』27、朝鮮奨学会)等がある。
- 第10回企画展記念
- 2014/3/8~29
- 3/8 ① 梁澄子
3/15 ② 西野瑠美子
3/29 ③ 吉見義明 - 今だから聞きたい!日本軍「慰安婦」問題
① 日本軍「慰安婦」問題解決のために
② 日本軍「慰安婦」問題と日本政府の責任
③ 日本軍「慰安婦」制度とは何か
- 第72回
- 2014/4/5
- 外村大(東京大学大学院総合文化研究科准教授)
- 朝鮮人強制連行を考える
日本近現代史についてエスニックマイノリティである在日朝鮮人に着目して研究を進めている。著書に『在日朝鮮人社会の歴史学的研究』(緑蔭書房、2004)、『朝鮮人強制連行』(岩波書店、2012)、論文に「植民地に生きた朝鮮人にとっての日本―民族指導者尹致昊の日記から見えてくるもの」(『日本の科学者』第45巻12号、2010年11月)ほか多数。
- 第11回企画展記念
- 2014/5/10~6/14
- 5/10 ① 安世鴻
5/17 ② 永田浩三
5/24 ③ 中西新太郎
6/14 ④ 金富子 - 安世鴻写真展 重重
中国に残された朝鮮人日本軍「慰安婦」
- 第73回
- 2014/6/7
- 李杏理(一橋大学大学院博士課程)
- 「解放」直後における在日朝鮮人の濁酒戦争
-取締り決定過程を中心に-
専門は植民地「解放」後在日朝鮮人の生活史・ジェンダー。論文に「「解放」直後における在日朝鮮人に対する濁酒取締り行政について」(『朝鮮史研究会論文集』第51集、2013年10月)など。
- 第74回
- 2014/7/12
- 高橋哲哉(東京大学大学院総合文化研究科教授)
- 「靖国」という問題
1956年、福島県生まれ。専門は西洋哲学。戦争やジェノサイドに関する歴史・記憶・責任などの表象も研究対象としている。著書に『靖国問題』(筑摩書店、2005)、『戦後責任論』(講談社、1999)、『歴史/修正主義』(岩波書店、2001)、『状況への発言-靖国そして教育』(青土社、2007)など多数。
- 第75回
- 2014/8/2
- 井上勝生(北海道大学名誉教授)
- 抗日・東学農民戦争、隠蔽された殲滅作戦
-日清戦争120周年にあたって-
1945年、岐阜県生まれ。専門は、明治維新史。1995年以来、東学農民軍を殲滅した日本軍について研究している。東学農民軍と日本軍についての著書に『東学農民戦争と日本』(共著、高文研、2013)、『明治日本の植民地支配』(岩波現代全書、2013)、明治維新について、『日本近現代シリーズ1幕末・維新』(岩波新書、2006)など。
- 第76回
- 2014/9/6
- 辛淑玉(のりこえねっと共同代表)
- いま、何が起きているのか
-現代日本のヘイトスピーチとレイシズム-
1959年、東京生まれの在日三世。1985年、(株)香科舎を設立し、人材育成の専門家として人権・男女共同参画の研修・講演等で活躍。またテレビ・新聞で日本の差別と排外主義克服のための言論活動を展開している。著書に『怒りの方法』(岩波新書)、『鬼哭啾啾』(解放出版社)、『差別と日本人』(角川Oneテーマ21、野中広務と共著)など多数。
- 第77回
- 2014/10/4
- 前田朗(東京造形大学教授、のりこえねっと共同代表)
- 表現の自由を守るためにヘイト・スピーチを処罰する
1955年札幌生まれ。中央大学法学部、同大学院法学研究科を経て現職。著書に『戦争犯罪論』(青木書店)、『軍隊のない国家』(日本評論社)、『非国民がやってきた!』(耕文社)、『人道に対する罪』(青木書店)、『9条を生きる』(青木書店)、『増補新版ヘイト・クライム』(三一書房)、『なぜ、いまヘイト・スピーチなのか』(三一書房)、『国民を殺す国家』(耕文社)。
- 第78回
- 2014/11/8
- 吉田裕(一橋大学社会学研究科教授)
- 現代日本の排外主義と戦後民主主義
1954年埼玉県生まれ。専門は日本近現代政治史・軍事史。YOSHIMI裁判いっしょにアクション(YOいっション)共同代表。著書に『日本人の戦争観』(岩波現代文庫、2005)、『アジア・太平洋戦争』(岩波新書、2007)、『兵士たちの戦後史』(岩波書店、2011)、『現代歴史学と軍事史研究』(校倉書房、2012)など。
- 第79回
- 2014/12/6
- 姜徳相(滋賀県立大学名誉教授、当館館長)
- 日本の朝鮮観の形成
以上の「近代日本の対韓認識について」語ります。(姜徳相)
一橋大学教授を経て、現在、滋賀県立大学名誉教授。著書に『関東大震災』(中央公論社)、『朝鮮独立運動の群像』(青木書店)、『呂運亨評伝1:朝鮮三・一独立運動』(新幹社)、『呂運亨評伝2:上海臨時政府』(新幹社)、『錦絵の中の朝鮮と中国』(岩波書店)、編著に『現代史資料:朝鮮1~6』(みすず書房)など。
- 在日韓人歴史資料館 10周年記念
- 2015/1/17
- 語り手:呉炳学
聞き手:山川修平(ジャーナリスト) - 「海峡をつなぐ民族の色」
自分の道を貫く-呉炳学の世界
- 第80回
- 2015/2/7
- 金文子(『日露戦争と大韓帝国』著者(高文研、2014))
- 大韓帝国と日露戦争
兵庫県生まれの在日二世。1979年、奈良女子大学文学部修士課程修了。86年3月まで同大学文学部助手。98年4月からは同大学学生相談室勤務。著書に『朝鮮王妃殺害と日本人』(高文研、2009)、論文に「朴珪寿の実学」(『朝鮮史研究会論文集』17号、1980年3月)、「三・一運動と金允植-独立請願書事件を中心に」(『寧楽史苑』29号、奈良女子大学史学会、1984年3月)など。
- 第81回
- 2015/3/7
- 小川原宏幸(同志社大学グローバル地域文化学部准教授)
- 東アジアの地域共同体構想をあらためて考える
~安重根の「東洋平和論」を手がかりに~
専門は近代日本史、近代日朝関係史、植民地研究など。青山学院大学非常勤講師などを経て現職。主な著書に『伊藤博文の韓国併合構想と朝鮮社会-王権論の相克』(岩波書店、2010年)、論文に「いま、私たちの歴史認識を問う―伊藤博文の韓国統治をめぐって」(『歴史地理教育』2011年)など多数。
- 第82回
- 2015/4/4
- 河かおる(滋賀県立大学人間文化学部講師)
- 戦時期に日本が女性に求めた役割の民族的非対称性について考える ~「一国史」の克服のために~
1971年生まれ。専攻は朝鮮近現代史。学習院大学東洋文化研究所助手を経て現職。論文に「植民地期朝鮮における同友会-植民地下ナショナリズムについての一考察」(『朝鮮史研究会論文集』1998年10月)、「総力戦下の朝鮮女性」(『歴史評論』2001年4月)、「朝鮮金融組合婦人会について」(『姜徳相教授退職記念日韓・日朝関係史論文集』明石書店、2003年)など。
- 第83回
- 2015/5/9
- 古関彰一(獨協大学名誉教授)
- 在日の選挙権の歴史
1943年東京都生まれ。日本の法学者。専門は憲法史。
\和光大学経済学部教授などを経て、1991年から獨協大学法学部教授。1989年、『新憲法の誕生』(中公文庫)で第7回吉野作造賞を受賞。主な著書に『憲法九条はなぜ制定されたか』(岩波ブックレット、2006年)、『「平和国家」日本の再検討』(岩波現代文庫、2013年)
- 第84回
- 2015/6/6
- 吉澤文寿(新潟国際情報大学国際学部教授)
- 日韓会談と在日朝鮮人
専門は朝鮮現代史、日朝関係史。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。韓国湖南大学校専任講師などを経て、現職。主な著書に『戦後日韓関係 国交正常化交渉をめぐって』(クレイン、2005年)、共著に『歴史としての日韓国交正常化Ⅱ脱植民地化編』(法政大学出版局、2012年)、『議題で見た韓日会談〔外交文書公開と韓日会談の再照明2〕』(ソンイン、2010年)等多数。
- 第85回
- 2015/7/11
- 鄭在貞(ソウル市立大学校国史学科教授)
- 開館10周年記念特別セミナー
帝国日本の植民地支配と韓国鉄道
専門は韓国近代史・韓日関係史。ソウル大学校師範大学歴史教育科卒業。東京大学大学院人文科学研究科東洋史学専門課程修了(修士)。ソウル大学校大学院国史学科修了(博士)。ソウル市立大学校人文大学学長、韓国東北亜歴史財団理事長、日韓歴史共同研究委員会委員を歴任。主な著書『帝国日本の植民地支配と鉄道:1892~1945』(明石書店2008)、共著に『日韓歴史共通教材』(明石書店2007)等多数。
- 第86回
- 2015/8/1
- 青柳敦子(朝鮮人徴兵・徴用に対する日本の戦後責任を求める会)
- 浮島丸事件に対する日本の戦後責任
1985年故宋斗会氏に出会い初めて在日の歴史的経緯と国籍
問題、サハリン在留朝鮮人問題、朝鮮人の戦争動員を知る。以来、在日朝鮮人の日本国籍確認訴訟、韓国の遺族たちに公式陳謝と賠償を求める裁判、光州千人訴訟、浮島丸訴訟に携わった。主な著書『報告・浮島丸事件訴訟』(南方新社2001)『朝鮮人徴兵・徴用に対する日本の戦後責任』(風媒社2005)
- 第87回
- 2015/9/5
- 朴壽南(ドキュメンタリー映画監督・作家)
- 1部:「アリランのうた-オキナワからの証言」映画上映
2部:トークショー 光復70年から取り残された課題
-小松川事件の根底的な課題と今-
優秀な成績でありながらも極貧から抜け出せず、朝鮮人という理由で就職の門も閉ざされた、その時に事件は起こった。獄中で少年は奪われてきた朝鮮人としてのアイデンティティをどのように回復したのか。今なおヘイトスピーチとして噴出する日本の差別状況は変わらない。小松川事件を中心に1965年日韓条約締結後から現在まで、歴史の闇に葬られてきた原爆被爆者、従軍慰安婦問題など、根底的な課題を共に考えたいと思います。(朴壽南)
2部 トーク:光復70年から取り残された課題
-小松川事件の根底的な課題と今-
講 師:朴壽南(ドキュメンタリー映画監督・作家)
小松川事件・死刑囚李珍宇の減刑運動に携わり、死刑執行まで獄中書簡・面会を続ける。70年代より広島・長崎のコリアン原爆被爆者、沖縄戦に強制連行された軍属・慰安婦の実態調査と記録を開始。ドキュメンタリー映画製作と上映運動、被害者の復権と戦後補償運動に取り組む。現在新作映画を制作中。
主な著書『罪と死と愛と』(1963三一書房)『朝鮮・ヒロシマ・半日本人―わたしの旅の記録』(1973三省堂)他。主な監督作品『もうひとつのヒロシマ―アリランのうた』(1986)『ぬちがふぅ(命果報)』(2012)他。
- 第88回
- 2015/10/3
- 李洋秀「韓国・朝鮮文化財返還問題連絡会議」世話人
- 日韓会談で文化財問題はどう扱われたか
1951年市役所に勤務していた朝鮮人父と日本人母との間に愛知県豊橋市で生まれた在日韓国人2世。1984年千葉の弁護士たちと『千葉県在日朝鮮人の人権を守る会』結成、指紋拒否等「外登法」反対闘争を始める。1998年から韓国KBSテレビの日本側コーディネーターを務め、『歴史スペシャル』等200本以上の番組制作に関与。2005年『日韓会談文書/全面公開を求める会』に参加、以後事務局次長。2010年『韓国・朝鮮文化財返還問題連絡会議』を結成、世話人を務めている。
- 第89回
- 2015/11/7
- 慎蒼宇(法政大学社会学部准教授)
- 侵略と植民地支配責任から見た安倍談話
1970年東京都生まれ。都留文科大学非常勤講師を経て、法政大学社会学部准教授。専門は近代朝鮮史。著書に『植民地朝鮮の警察と民衆世界-「近代」と伝統をめぐる政治文化-』(有志舎、2008年)、論文として「韓国軍人の抗日蜂起と「韓国併合」」(『思想』2010年1月号)など。
※姜徳相先生講演代講
- 第90回
- 2015/12/5
- 大村益夫(早稲田大学名誉教授)
- 尹東柱の詩をめぐって
まず尹東柱とわたしとの出会いについて簡単に話したのちに、尹東柱研究の外堀を埋める作業を、尹東柱の親・きょうだい、尹東柱と沈連洙、尹東柱自筆原稿と各種版本という3つの観点にしぼって話してみようと思う。(大村益夫)
1933年生まれ。1957年早稲田大学卒。1962年東京都立大学人文科学研究科博士課程修了。1970年より同人とともに『朝鮮文学-紹介と研究』を創刊、74年終刊。1972年より早稲田大学教授。1985年から一年間、吉林省延辺大学に滞在。主要著書に『中国朝鮮族文学の歴史と展開』(緑蔭書房)、『朝鮮近代文学と日本』(緑蔭書房)、『愛する大陸よ-詩人金龍済研究」(大和書房)。主な翻訳書に林鍾国『親日文学論』(高麗書林)、金允植『傷痕と克服‐韓国の文学者と日本』(朝日新聞社)、『朝鮮短編小説選上・下』(岩波書店)他。
- 第91回
- 2016/2/6
- 内海愛子(恵泉女学園大学名誉教授)
- 戦後史の中の「和解」
-置き去りにされた植民地支配の清算-
②戦争裁判と植民地支配-東京裁判は何を裁き何を裁かなかったのか。なぜ、朝鮮人が「日本人」として裁かれたのか。
③サンフランシスコ平和条約と植民地支配
-なぜ、大韓民国は講和会議に参加できなかったのか。
④平和条約の11条で戦争裁判の判決を承認した日本-刑の執行を引き受けた日本政府。
⑤アジア侵略・植民地支配の清算-日韓条約と個人の請求権。「韓国併合条約」が「もはや無効」とは。
以上の内容について考えます。(内海愛子)
早稲田大学卒業。日本朝鮮研究所所員、インドネシア・パジャジャラン大学講師。帰国後、文化学院、恵泉女学園大学、早稲田大学などで教鞭。主な著書に『戦後補償から考える日本とアジア』(山川出版社)、『日本軍の捕虜政策』(青木書店)、『キムはなぜ裁かれたのか-朝鮮人BC級戦犯の軌跡』(朝日新聞出版)、『戦後責任アジアからのまなざしに応えて』(共著、岩波書店)、『朝鮮人BC級戦犯の記録』(岩波書店)他。
- 第92回
- 2016/3/5
- 石山久男(子どもと教科書全国ネット21常任運営委員)
- 育鵬社・自由社版教科書は子どもをどこへ導くのか
東京都立大学大学院修士課程を修了後、神奈川県川崎市立高校、東京都立大学非常勤講師を経て、歴史教育者協議会委員長(2004~2008)。日本歴史学協会監事。著書に『近現代史と教科書問題』(新興出版社)『日の丸・君が代』(学習の友社)、『教科書検定』(岩波書店)他。
- 第93回
- 2016/4/2
- 宋連玉(元大学教授)
- 羅蕙錫(な・へそく)に見る
韓国のジェンダー研究
韓国における羅蕙錫評価の変化から、韓国のフェミニズムの現住所を探ってみたい。(宋連玉)
元青山学院大学経営学部教授。専門は朝鮮近現代史、ジェンダー史。在日朝鮮人女性の戦後史、韓国文化作品を通した日韓関係史など幅広く研究。
著書に『脱帝国フェミニズムを求めて-朝鮮女性と植民地主義』(有志舎 2009)、『軍隊と性暴力-朝鮮半島の20世紀』(編著・現代史料出版 2010)など多数。
- 第94回
- 2016/6/4
- 磯貝治良(作家)
- 〈在日〉文学の歴史と今、そしてゆくえ
1977年より在日朝鮮人作家を読む会を主宰、例会は現在443回。文芸誌『架橋』を編集・発行して現在32号。在日コリアンとの協働を主とした社会運動、大学非常勤講師、ボクシングトレーナーなどサイドワークも多彩に行なう。著書に評論『始源の光―在日朝鮮人文学論』(創樹社)、『戦後日本文学のなかの朝鮮韓国』(大和書房)、『〈在日〉文学論』『〈在日〉文学の変容と継承』(新幹社)。小説に長編『クロニクル二〇一五』(一葉社)、『在日疾風純情伝』(風琳堂)、中短編集『夢のゆくえ』(影書房)、『イルボネ チャンビョク―日本の壁』(風琳堂)など。ほかに編著『〈在日〉文学全集』全18巻(勉誠出版)。
- 第95回
- 2016/7/2
- 山田朗(明治大学文学部教授)
- <戦後71年、戦争を考える!> 企画1
昭和天皇の戦争指導と戦争責任
1956年生まれ。専門は日本近現代史・日本軍事史・天皇制論。歴史教育者協議会委員長。明治大学平和教育登戸研究所資料館館長。主な著書に『大元帥・昭和天皇』(新日本出版社, 1994年)、『軍備拡張の近代史』(吉川弘文館, 1997年)、『昭和天皇の軍事思想と戦略』(校倉書房, 2002年)、『日本は過去とどう向き合ってきたか』(高文研、2013年)、『兵士たちの戦場』(岩波書店, 2015年)などがある。
- 第96回
- 2016/8/6
- 石田勇治(東京大学教授)
- <戦後71年、戦争を考える!> 企画2
ヒトラーとナチ時代のドイツを考える
三十歳までごく平凡な、とても成功するように見えなかった人物が、わずか十数年で首相となり、息をのむ速さで近代史上類例のない強力な独裁者となりました。どうしてそんなことが可能だったのでしょうか。本講義では、ヒトラーとその時代のドイツが、現代の私たちに提起する問題を考えてみたいと思います。(石田勇治)
1957年京都市生まれ。東京外国語大学卒業。ドイツ・マールブルク大学社会科学哲学部博士課程修了。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。専攻、ドイツ近現代史。著書に『過去の克服―ヒトラー後のドイツ』(白水社、復刻版)、『20世紀ドイツ史』(白水社)、『ヒトラーとナチ・ドイツ』(講談社現代新書)、編著に『図説ドイツの歴史』(河出書房新社)、『ジェノサイドと現代世界』(勉誠出版)、資料集に『資料 ドイツ外交官の見た南京事件』(大月書店)、訳書に『戦後ドイツ史』(クレスマン著、未來社)などがある。
- 第97回
- 2016/9/10
- 石純姫(苫小牧駒沢大学教授)
- 近代期北海道における朝鮮人の移住と定住化の形成過程-アイヌ民族との関係と重層性
依然として複雑な言説を再生産し続ける歴史認識をめぐり、強固な排外的ナショナリズムも形成されつつある。新たに生まれ続ける多様性に満ちた文化の光と影に焦点をあて、その問題性を考察し、かつ多様性を豊かさへと繋げる可能性を探る。(石純姫)
東アジアにおける植民地研究。論文に「帝国と植民地における先住民と奴隷(強制的労務者)-東アジアと北・中南米における比較-」(『苫小牧駒澤大学紀要』第31号、2016)、「近代期朝鮮人の移住と定住化の形成過程とアイヌ民族-淡路・鳴門から日高への移住に関して」(『アジア太平洋レビュー』第12号、2015)、「アイヌ民族と朝鮮人をめぐる記憶と表象―日高地方を中心に」(『大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター年報』第9号、2012)、「北海道近代における朝鮮人の定住化とアイヌ民族」(『東アジア教育文化学会年報』第3号、2006)など多数。
- 第98回
- 2016/10/1
- 水野直樹(京都大学名誉教授・立命館大学客員教授)
- 在日朝鮮人と治安維持法
1950年京都市生まれ。専門は朝鮮近代史、東アジア関係史。著書に『創氏改名』(岩波新書、2008)、共著に『在日朝鮮人-歴史と現在-』(岩波新書、2015)、『生活の中の植民地主義』(人文書院、2004)、『論集 朝鮮近現代史』(明石書店、1996)、『「アリランの歌」覚書』(岩波書店、1991)など多数。
- 第99回
- 2016/11/5
- 師岡康子(弁護士)
- ヘイトスピーチと人種差別撤廃法制度
大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員研究員。1992 年東京弁護士会登録。2002 年から弁護士とし て人種・民族差別問題に取り組む。2007 年 9 月から米・ 英のロースクールに留学し、人種差別撤廃条約と各国の人種・民族差別撤廃法を学ぶ。著書に 『ヘイト・スピーチ とは何か』(岩波書店)、共著に『なぜ、いまヘイト・スピー チなのか』(三一書房)、『Q&A ヘイトスピーチ解消法』(現代人文社)など。
- 第100回
- 2016/12/3
- 君塚仁彦、鄭在貞、久留島 浩
宋連玉、朴 一 - シンポジウム
在日韓人歴史資料館のいま、そしてこれから
第100回セミナ―では、日本社会における在日韓人歴史資料館活動の意義を踏まえて在日の歴史にどのように向き合うか、日本と韓国の視点を交えて考えます。
「日本社会における在日韓人歴史資料館の意義」
報 告
鄭在貞(ソウル市立大学教授)
韓国近現代史における「在日」の現在
久留島 浩(国立歴史民俗博物館館長)
博物館における歴史展示の可能性
朴 一(当館理事、大阪市立大学教授)
資料館展示の今後-歴史群像を作ってきた人々
総合討論 在日の歴史と向き合う
鄭在貞、久留島浩、君塚仁彦、朴 一
- 第101回
- 2017/7/29
- 李成市(当館館長、早稲田大学教授)
- 近代日本人のアジア観
-津田左右吉の中国・朝鮮観を中心に―
その考察対象として、日本思想史研究者にして中国思想、中国史、朝鮮史研究において多大な業績を残した津田左右吉の中国・朝鮮観を中心に検討したいと思います。津田の中国・朝鮮認識は現今の日本における中国・朝鮮観を検討する上で、その歴史的な由来や様態を捉える視座になりうるものと考えています。
1952年名古屋市生まれ。1982年早稲田大学大学院博士課程修了。博士(文学)。横浜国立大学教育学部助教授、早稲田大学文学部助教授を経て、現在、早稲田大学文学学術院教授、早稲田大学理事。早稲田大学朝鮮文化研究所所長、朝鮮史研究会会長、韓国木簡学会会長(韓国)。
専攻は朝鮮古代史、植民地朝鮮における史学史。著作に『東アジアの王権と交易』(青木書店、1997年)、『古代東アジアの民族と国家』(岩波書店、1998年)、『創られた古代』(三仁出版、2000年、ソウル)、『古代朝鮮の考古学と歴史』(共編著、雄山閣、2002年)、『植民地近代の視座』(共編著、岩波書店、2004年)、『木簡から古代がみえる』(共著、岩波書店、2010年)、『岩波講座 日本歴史』(共編著、全22巻、2015年)など多数。
- 第102回
- 2017/9/2
- 廣瀬陽一(大阪府立大学研究員)
- 金達寿の生涯と活動
-文学と古代史を中心に―
1974年、兵庫県生まれ。2015年、大阪府立大学大学院博士課程修了。博士(人間科学)。専門は日本近現代文学・在日朝鮮人文学。転向を研究テーマに、日本の文学と取り組む過程で、金達寿の小説「朴達の裁判」に出会い、彼の研究を始める。著書に『金達寿とその時代』(クレイン、2016)、編著に『金達寿小説集』(講談社文芸文庫、2014)。
- 第103回
- 2017/10/7
- 三ツ井 崇(東京大学准教授)
- 植民地期朝鮮における言語支配とその諸相
横浜国立大学卒業後、一橋大学社会学研究科修士・博士課程修了。専門は朝鮮近現代教育・文化史・言語社会論。ソウル大学客員研究員(2003年)、早稲田大学文学学術院客員助教授、同志社大学言語文化教育センター准教授を経て現職。著書に『朝鮮植民地支配と言語』(明石書店、2010)、『植民地朝鮮の言語支配構造』(韓国、ソミョン出版、2013)ほか多数。
- 第104回
- 2017/11/4
- 寺島善一(明治大学名誉教授)
- オリンピックは、人種差別(主義)をこえなければならない
真のオリンピック精神とは何か?を考えたい。2002年の日韓W杯サッカーがもたらした、日韓の友好促進を忘れてはならない。
専門はスポーツ政策、スポーツ思想。1968年東京教育大学体育学部を卒業後、名古屋学院大学助手を経て、1974年明治大学専任講師、1984年に同大学教授。1998年 St.Mary’s University(英国)客員教授。孫基禎生誕100周年シンポジウム実行委員会委員長(2012年)。著書・共著『リベラルアーツと大学の「自由化」』(明石書店、2005年)他
- 第105回
- 2017/12/2
- 大島裕史(スポーツライター)
- オリンピックと在日
1961年東京都生まれ。明治大学卒業後出版社勤務を経て、1993年~1994年、ソウルの延世大学韓国語学堂に留学。日本に帰国後は文筆業に。『日韓キックオフ伝説』(実業之日本社、のちに集英社文庫)で1996年度ミズノスポーツライター賞受賞。その他の著書に、『2002年韓国への旅』(NHK出版)、『韓国野球の源流』(新幹社)、『魂の相克 在日スポーツ英雄列伝』(講談社)ほか多数。
- 第106回
- 2018/4/7
- 吉野誠(東海大学名誉教授)
- 明治維新と征韓論
1948年、千葉県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科(東洋史学)博士課程修了。朝鮮近代史専攻。著書に『明治維新と征韓論』(2002、明石書店)、『東アジア史のなかの日本と朝鮮』(2004、明石書店)、論文に「福沢諭吉の朝鮮論」(『朝鮮史研究会論文集』26)、「与謝野鉄幹の朝鮮体験」(『東海大学紀要文学部』90)など。
- 第107回
- 2018/5/12
- 庵逧由香(立命館大学教授)
- 朝鮮総動員体制はどうつくられていったのか
津田塾大学修士課程修了、高麗大学校史学科大学院文学博士。専門は朝鮮近現代史、国際関係史。著書に『植民主義、戦争、軍「慰安婦」』(共著、韓国語、図書出版ソニン、2017)、『地域社会から見る帝国日本と植民地』(共著、思文閣出版、2016)、『植民地書記の朝鮮農業』(翻訳書、明石書店、2016年)他多数。
- 第108回
- 2018/6/2
- 小野容照(九州大学大学院准教授)
- 在日朝鮮人留学生の民族運動
2・8独立宣言にかぎらず、在日朝鮮人留学生の民族運動は、朝鮮半島の文化や思想など様々な面において重要な役割を果たしました。朝鮮人留学生たちが日本で何を考え、どのような活動をしていたのか、検討したいと思います。
京都大学大学院文学研究科(現代史学)博士課程修了、京都大学人文科学研究所助教を経て現職。専門は朝鮮近代史。著書に『帝国日本と朝鮮野球』(中央公論新社、2017年)、『朝鮮独立運動と東アジア1910-1925』(思文閣出版、2013年)、論文に「第一次世界大戦の勃発と朝鮮独立運動」(『東アジア近代史』18、2015年)、「第一次世界大戦の終結と朝鮮独立運動」(『人文学報』110、2017年)など。
- 第109回
- 2018/7/7
- 権容奭(一橋大学大学院法学研究科准教授)
- 韓国の民主化運動と「キャンドル革命」
-촛불(キャンドル)」の歴史的意義-
1970年ソウル生まれ。幼少期より日韓を行き来し、1994 年一橋大学法学部卒業。同大学大学院で博士号を取得し、法学研究科専任講師を経て、2008年より現職。専門は日本外交史、日韓関係史、東アジア国際関係史。著書に『「韓流」と「日流」―文化から読み解く日韓新時代』(NHK出版、2010)、『岸政権期の「アジア外交」:「対米自主」と「アジア主義」の逆説』(国際書院、2008)、訳書に李徳一著・権容奭訳『イ・サンの夢見た世界―正祖の政治と哲学 上・下』(キネマ旬報社,2011)、監訳書にチェ・ギュソク著、権容奭監訳・解説『沸点-ソウル・オン・ザ・ストリートー』(ころから、2016)など。
- 第110回
- 2018/8/4
- 木村健二(下関市立大学名誉教授・ 大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員教授)
- 在朝日本人の1945年
1950年愛媛県に生まれ。早稲田大学大学院博士後期課程満期退学、東京農工大学、下関市立大学教授を経て、現職。専門は近代日朝経済関係史、近代日本移民史。日本移民学会会長、日本植民地研究会代表理事を歴任。主な著作に、単著『在朝日本人の社会史』(未来社、1989年)、『一九三九年の在日朝鮮人観』(ゆまに書房、2017年)、共著『近代植民地都市 釜山』(櫻井書店、2007年)、共編著『日本帝国勢力圏の東アジア都市経済』(慶應義塾大学出版会、2013年)、『日本帝国崩壊期「引揚げ」の比較研究』(日本経済評論社、2016年)など。
- 第111回
- 2018/9/1
- 渡辺延志(ジャーナリスト)
- 関東大震災-その時代と社会
独自に歴史資料の発掘、解読に取り組み、著書に『虚妄の三国同盟-発掘・日米開戦前夜外交秘史』(岩波書店、2013年)、「GHQ特命捜査ファイル・軍事機密費」(岩波書店、2018年)がある。論文に「新聞記者から見る歴史像の現在」(『歴史評論』2011 年2月号)、「731部隊-埋もれていた細菌戦の研究報告」(『世界』2012年5月号)など。1955年、福島県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。
- 第112回
- 2018/10/6
- 太田修(同志社大学教員)
- 自らの文化を創りだす-梁民基とマダン劇運動
1963年、兵庫県生まれ。韓国高麗大学校史学科博士課程修了。佛教大学文学部教員を経て、現職。専門は朝鮮近現代史。著書に『〔新装新版〕日韓交渉-請求権問題の研究』(クレイン、2015)、『朝鮮近現代史を歩くー京都からソウルへ』(思文閣出版、2009)、『동아시아 냉전의 문화(東アジア冷戦の文化)』(編著、ソミョン出版、2017)、『五〇年目の日韓つながり直し』(共著、社会評論社、2017)などがある。
- 第113回
- 2018/11/10
- 李成市(当館館長、早稲田大学)
- 三韓征伐-古代朝鮮支配「言説」の消長
1952年名古屋市生まれ。1982年早稲田大学大学院博士課程修了。博士(文学)。横浜国立大学教育学部助教授、早稲田大学文学部助教授を経て、現在、早稲田大学文学学術院教授、早稲田大学理事。早稲田大学朝鮮文化研究所所長、朝鮮史研究会会長、韓国木簡学会会長(韓国)。
専攻は朝鮮古代史、植民地朝鮮における史学史。著作に『東アジアの王権と交易』(青木書店、1997年)、『古代東アジアの民族と国家』(岩波書店、1998年)、『創られた古代』(三仁出版、2000年、ソウル)、『古代朝鮮の考古学と歴史』(共編著、雄山閣、2002年)、『植民地近代の視座』(共編著、岩波書店、2004年)、『木簡から古代がみえる』(共著、岩波書店、2010年)、『岩波講座 日本歴史』(共編著、全22巻、2015年)など多数。
- 第114回
- 2018/12/8
- 大門正克(横浜国立大学教授)
- 聞き書きのなかの在日朝鮮人 -1960・70年代の朴慶植、むくげの会、古庄ゆき子らを中心にして-
1953年千葉県生まれ。1982年、一橋大学大学院経済学研究科博士課程単位取得満期退学。1996年一橋大学博士(経済学)。一橋大学助手、大月短期大学助教授、都留文科大学教授を経て、横浜国立大学大学院国際社会科学研究院教授。専攻は日本近現代経済史・農村社会史。歴史学研究会で編集長などを歴任。著書に『語る歴史、聞く歴史―オーラル・ヒストリーの現場から』(岩波新書、2017)、『Jr.日本の歴史7 国際社会と日本』(小学館、2011)、『日本の歴史15 一九三〇年代から一九五五年 戦争と戦後を生きる』(小学館、2009)、『歴史への問い/現在への問い』(校倉書房、2008)、『民衆の教育経験―農村と都市の子ども』(青木書店、2000)、『近代日本と農村社会―農民世界の変容と国家』(日本経済評論社、1994)など。
- 第115回
- 2019/3/9
- 田村光彰(元北陸大学教授)
- 尹奉吉とゲオルク・エルザー
~抗日独立運動と反ナチ抵抗~
金沢には、尹奉吉の墓があり、日韓の、歴史認識を共有する市民運動も取り上げたいと思います。負の歴史を忘れさせたい人々の声が大きい今日、「人間の権力に対する戦いは、記憶の忘却に対する戦い」(クンデラ)です。
1946年生まれ。尹奉吉義士共の会会長。
著書に『統一ドイツの苦悩:外国人襲撃と共生のはざまで』(技術と人間、1993年)、『現代ドイツの社会・文化を知るための48章』(共著・明石書店、2003年)、『ナチス・ドイツの強制労働と戦後処理』(社会評論社、2006年)等。訳書に『ラディカル・エコロジー』(共訳・同、1994年)、『意識はフェミニズム、行動は地域』(現代書館、1991年)等。
- 第116回
- 2019/4/6
- 第1部 : 金富子(東京外国語大学教授)
第2部 : 金 栄(ルポライター) - 植民地遊廓から日本軍慰安所へ
第1部 : 植民地遊廓の形成と日本の軍隊
~「京城」(ソウル)を中心に~
第2部 : 北部朝鮮の植民地軍事都市の遊廓と慰安所
~慶興慰安所を中心に~
近代日本による朝鮮侵略のなか、日本の公娼制が日本人居留地に移植された。前近代の朝鮮王朝政府は性売買を禁止したため、徳川幕府が公認する遊廓のような公娼制はなかった。日清・日露戦争をきっかけに日本軍が朝鮮に駐屯・常駐化し、占領地遊廓へと展開した。植民地期に朝鮮人も巻き込んで、法制度的に植民地遊廓になった。今回は日本の軍隊の動向に注目しつつ、「京城」(ソウル)での日本式遊廓の形成と展開を追う。
◇ 第2報告
植民地朝鮮に移植され日露戦争後から本格的に展開した日本式公娼制度は、当初から軍隊のための慰安所的性格をもっていた。その後も軍隊が駐屯した植民地軍事都市においては遊廓の形をとりながら慰安所的役割も果たし続け、戦争末期にはほとんど慰安所化していた。特に中ソ国境近くでは軍だけのための専用慰安所が設置されていた。当日は、昨年確認されたばかりの慶興慰安所を中心に「平時」朝鮮に設置された慰安所について述べる。
講 師:金富子(東京外国語大学教授)
植民地朝鮮ジェンダー史・ジェンダー論。東京外国語大学教授。単著に『植民地期朝鮮の教育とジェンダー』(世織書房)、共著『植民地遊廓:日本の軍隊と朝鮮半島』(吉川弘文館)、共編著『「慰安婦」問題と未来への責任』(大月書店)、『Q&A朝鮮人「慰安婦」と植民地支配責任』(御茶の水書房)など。
◇ 第2報告 北部朝鮮の植民地軍事都市の遊廓と慰安所~慶興慰安所を中心に(15時~ )
講 師:金 栄(ルポライター)
在日朝鮮女性史研究と、近年は主に朝鮮民主主義人民共和国の現地調査をとおして日本軍と「慰安婦」制度及び植民地公娼制度の関係について研究。共著に『海を渡った朝鮮人海女』(新宿書房)、『軍隊と性暴力―朝鮮半島の20世紀』(現代史料出版)、『植民地遊郭―日本の軍隊と朝鮮半島』(吉川弘文館)など。
◇ 全体質疑応答 16時~16時30分
- 第117回
- 2019/5/11
- 中塚明(奈良女子大学名誉教授)
- 優越感・差別感は歴史の無知から
~近代日本と韓国・朝鮮-その歴史から考える~
しかし、いまの日本では、日本政府をはじめマスコミもふくめて、日本人は韓国や北朝鮮はもとより中国などの国々から、「歴史」といわれると身構えてしまう、「歴史恐怖症」のような症状があります。……(略)
一方で、韓国や北朝鮮、中国などについてのフェイクニュースは、特にネットの世界では横行しています。
日本が明治以後、朝鮮や中国に侵略した事実を正視したくない、そんなことをしても未来志向での相互友好に役立たない、という考え方もなかなか根強いものです。
日本の侵略のいやな話ではなく、植民地時代、日本と朝鮮の交流につとめた人や、朝鮮の民俗や美術を称揚した人たち、そんな人たちの交流の歴史をもっと明らかにすべきだ、という主張も強くあります。――こういう研究・交流ももちろん大切です。大いにすすめるとよいと思います。しかし、私が言いたいのは、明治以後の日本が朝鮮をはじめアジアの国ぐにに対しておこなった侵略戦争・植民地支配の事実、この事実に目を閉ざしては、「友好・交流」はあり得ないし、日本自身が平和で、市民の一人ひとりが世界に創造的に生きる、その未来図は描けないということです。……(略)
― 中塚明『日本人の明治観をただす』の本文より―
1929年、大阪府に生まれる。日本近代史、特に近代の日朝関係の歴史を主に研究。
主な著書に『日清戦争の研究』(青木書店)、『近代日本と朝鮮』(三省堂)、『蹇蹇録の世界』(みすず書房)、『歴史の偽造をただす』『歴史家の仕事』『これだけは知っておきたい日本と韓国・朝鮮の歴史』『現代日本の歴史認識』『司馬遼太郎の歴史館』『歴史家 山辺健太郎と現代』(以上、高文研)など。共著書に『NHKドラマ「坂の上の雲」の歴史認識を問う』『東学農民戦争と日本』(以上、高文研)がある。
- 第118回
- 2019/6/8
- 伊藤智永(毎日新聞編集委員兼論説委員)
- 植民地支配の忘れ方、思い出し方
毎日新聞で長く政治記者を務め、経済部、外信部を経て、ジュネーブ特派員として国連人権人道外交、アラブの春、ギリシャ危機などを取材。コラム「時の在りか」(毎月第一土曜日)の連載4年目。
著書に、「「平成の天皇」論」(講談社現代新書・2019年)、「忘却された支配——日本のなかの植民地朝鮮」(岩波書店・2016年)、「靖国と千鳥ケ淵——A級戦犯の黒幕にされた男」(講談社+α文庫・2016年)、「奇をてらわず——陸軍省高級副官美山要蔵の昭和」(講談社・2009年)「靖国戦後秘史」(毎日新聞社・2007年、角川ソフィア文庫・2015年)がある。
- 第119回
- 2019/7/6
- 伊藤亜人(東京大学名誉教授)
- 北朝鮮社会をめぐる問題
2 北朝鮮社会の実態とは:公式情報による社会主義体制
3 脱北者情報による非社会主義・非公式領域の実態
4 総活:社会主義体制の現状と将来、顕在化する問題とは?
1943年東京生まれ。東京大学教養学部卒業、社会学研究科修士、教養学部および東洋文化研究所助手、教養学部助教授を経て綜合文化研究科教授(~2006年、名誉教授)。琉球大学法文学部教授(~2009年)、早稲田大学アジア研究機構上級研究員・教授(~2013年)。米国ハ-ヴァ-ド大学客員研究員(1977~79年)、英国ロンドン大学SOAS上級研究員(1996年)、韓国ソウル大学校招聘教授(2002年)。専門は文化人類学・民俗学、韓国研究。1971年より韓国の農村等で現地調査に従事。現在は北朝鮮民衆の生活実態について人類学的な調査研究に従事。第11回渋沢賞(1977年)、大韓民国玉冠文化勲章(2003年)、第9回樫山純三賞(2014年)。
主要著書:『アジア読本 韓国』(1996、河出書房)、『韓国珍島の民俗紀行』(1996、青丘文化社)、『韓国夢幻』(2006、新宿書房)、『文化人類学で読む 日本の民俗社会』(2007、有斐閣)、『珍島-韓国農村社会の民族誌』(2013、弘文堂)、『北朝鮮人民の生活-脱北者の手記から読み解く実相-』(2017、弘文堂)等。
- 第120回
- 2019/8/24
- 解放74周年記念上映会
- エイジアン・ブル
浮島丸サコン
平安建都1200年を市民が問い直す映画を作るべく、京都市民が始めた製作支援募金運動に支えられた作品。“戦後50年を問う”という視点が貫かれ、浮島丸事件を通して加害の痛みと反戦の重さが伝わる。(1995年、パンフレットより)
企画:平安建都1200年映画をつくる会
制作:伊藤正昭
監督:堀川弘通
挿入曲:「清河への道」(新井英一)
キャスト:藤本喜久子、山辺有紀、益岡徹、隆大介、高川裕也、関根信行、岡本舞、有田哲平・植田晋也(海砂利水魚)他
- 第121回
- 2019/9/14
- 田中史生(早稲田大学教授)
- 帰化人・渡来人論争とその行方
早稲田大学卒業。國學院大學大学院文学研究科博士課程後期修了、博士(歴史学)。専門は古代日本の国際交流史。島根県教育庁文化財課(埋蔵文化財調査センター)主事、 関東学院大学経済学部教授を経て現職。
著書に『日本古代国家の民族支配と渡来人』(校倉書房1997)、『倭国と渡来人』(歴史文化ライブラリー2005)、『国際交易と古代日本』(吉川弘文館2012)、『国際交易の古代列島』(角川選書2016)、『越境の古代史』(角川ソフィア文庫2017)、『渡来人と帰化人』(角川選書2019)など。
- 第122回
- 2019/10/5
- 長澤 秀(在日朝鮮人運動史研究会会員)
- 著者に聞く『遺言-「樺太帰還在日韓国人会」会長、李羲八が伝えたいこと』とこれから
1951年福島県会津若松市生まれ。早稲田大学卒業、明治大学大学院修士課程修了、立教大学大学院博士後期課程退学。主な研究に『石炭統制会極秘文書・戦時下朝鮮人中国人連合軍俘虜強制連行資料集』『樺太庁警察部文書・戦時朝鮮人関係警察資料集』『戦後初期在日朝鮮人人口調査資料集』(以上、復刻版、緑陰書房)など。
- 第123回
- 2019/11/2
- 菊池嘉晃 (現代韓国朝鮮学会会員、ジャーナリスト)
- 在日100年史における北朝鮮帰国事業
1965年東京都生まれ。早稲田大学卒業。博士(国際文化)[法政大学大学院]。87年読売新聞社入社、北朝鮮・韓国関連の取材などに携わる傍ら、94-95年に韓国の成均館大学大学院(史学科)に留学。北朝鮮帰国事業に関する論文(韓国語)で修士号。著書に『北朝鮮帰国事業「壮大な拉致」か「追放」か』(中公新書2009)。今年11月に、帰国事業に関する博士論文を単行本として明石書店より出版予定。論文に「北朝鮮帰国事業『前史』の再検討―在日コリアンの帰国運動と北朝鮮の戦略を中心に」(『現代韓国朝鮮研究』第8号、新書館2008)他。
- 第124回
- 2019/12/7
- 朴正鎮(津田塾大学教授)
- 在日朝鮮人「帰国事業」60周年、その真相を振り返る
1972年ソウル生まれ。2009年東京大学総合文化研究科博士課程修了、学術博士。専門は国際関係論、政治学。著書に『日朝冷戦構造の誕生1945-65』(平凡社、2012)、『帰国運動とは何だったのか―封印された日朝関係史』(共著、平凡社、2005)。最近の論考に「北朝鮮非核化の行方―空転する日韓の連携」『同代史研究』第11号(2018.12)他。
- 第125回
- 2020/2/1
- 坂内宗男(調布ムルレの会運営委員)
- 在日者に身を寄せて
~調布ムルレの会40年の歩みと私~
1934年福島県奥会津生まれ。法大でマルクス法学を学ぶ。1960年キリスト教無教会学生寮『登戸学寮』に入寮、初代寮長里見安吉・2代目寮長高橋三郎より「罪責」を知る。里見は朝鮮植民地時代当地で女学校教師を務め、高橋は朝鮮にて生を享けたもの。次いで、在日朝鮮人青年U氏と出会い、渡日した親の苦難、彼自身の這うような生き様に接し、就職が調布市庁にて福祉生活保護ケ-スワ-カ-の身で在日朝鮮人地域(部落)で働き差別構造を実感、人権→平和→天皇制にと目を向け今に至る。
著書に、『踏まれし足の痛みを分かちて~在日問題・隣国とのかかわりの中で~』2002、宗男・義子著、『地にも平和を』2008、共著に『今日の靖国問題』1980(以上キリスト教図書出版社刊)他共著有り。
- 第126回
- 2024/9/7
- 後藤 周(関東大震災研究者)
コメント : 渡辺延志(作家) - 1923年 横浜の朝鮮人虐殺
1948年生まれ。1972年から約40年にわたって横浜市の公立中学校教員を務め、在日朝鮮人教育・人権教育に取り組む。「信愛塾」、「ヨコハマ・ハギハッキョ」の活動に創設期から参加。現在は横浜の関東大震災の調査研究に努め、その報告書である「研究ノート」は150号を超える。また横浜市教委の「中学生用副読本」書換え・回収問題にも取り組む。著書に『それは丘の上から始まった-1923年 横浜の朝鮮人・中国人虐殺』(ころから出版、2023)。
コメンテーター:渡辺延志(作家)
1955年、福島県出身。2018年まで記者として朝日新聞に勤務し、主に歴史にかかわるニュースを扱い、青森市の三内丸山遺跡の出現、中国・西安における遣唐使の墓誌の発見などの報道を手がけた。著作に『歴史認識 日韓の溝』(ちくま新書、2021年/第27回平和・協同ジャーナリスト基金賞受賞)、『関東大震災「虐殺否定」の真相』(ちくま新書、2021年)、『日清・日露戦史の真実』(筑摩選書、2022年)『軍事機密費』(岩波書店、2018年)等。
- 第127回
- 2024/10/5
- 韓 光勲(大阪公立大学大学院文学研究科博士後期課程・日本学術振興会特別研究員)
- 「在日史学」研究の可能性をひらく-関東大震災朝鮮人虐殺を事例として
1992年大阪市生まれ。在日コリアン3世。2019年、大阪大学大学院国際公共政策研究科博士前期課程修了。2019年4月から2022年7月まで毎日新聞記者。現在、大阪公立大学大学院文学研究科博士後期課程在籍。日本学術振興会特別研究員(DC1)。専門は社会学、朝鮮半島地域研究。2023年3月より1年間、高麗大学亜細亜問題研究院・訪問研究員。論著に「在日朝鮮人と歴史学―朴慶植生誕100年を記念して―」(『日本韓国研究』3号、2023)、「歴史家・姜徳相の生涯と学問―在日史学研究序説」(『在日朝鮮人史研究』53号、2023)、「【インタビュー】飛田雄一さん 歴史を心に刻み、石に刻む ―神戸から日本の植民地主義を問い、朝鮮人の被害を記憶する 」(『社会運動史研究』5号、2023)、「在日とヒップホップーJin Dogg「街風(feat. REAL-T)」試論 」(『抗路 』11号、2023)。2024年10月末、1年間の韓国滞在の経験をまとめた著書を出版予定(ワニブックス新書)。
- 第128回
- 2024/11/16
- 朴 一(大阪市立大学名誉教授)
- 力道山という生き方
1956年兵庫県生まれの在日韓国人3世。1980年、同志社大学卒業、1988年、同大学大学院博士課程修了(商学博士)、立正大学専任講師を経て、1990年10月から2023年3月まで大阪市立大学経済学部に専任講師、助教授、教授、大学院教授として勤務。現在、大阪市立大学名誉教授、大阪大学大学院公共政策研究科招聘教授、摂南大学国際学部客員教授。著書に『在日という生き方』、『在日コリアンってなんでんねん』、『僕たちのヒーローはみんな在日だった』、『日本と韓国のホンネとタテマエ』、『在日マネー戦争』(すべて講談社)などがある。
- 第129回
- 2024/12/14
- 田中 宏(一橋大学名誉教授)
- 戦後日本の知識人と「朝鮮」植民地問題-南原繁・矢内原忠雄を素材に
1937年生まれ、岡山出身。アジア学生文化協会勤務、愛知県立大学教授、一橋大学教授、龍谷大学特任教授を経て現在、一橋大学名誉教授。専門は日本アジア関係史、ポスト植民地問題、在日外国人問題、日本の戦後補償問題。著書に『日本のなかのアジア-留学生・在日朝鮮人・「難民」』(大和書房、1980年)、『虚妄の国際国家・日本』(風媒社、1990年)、『戦後60年を考える-戦後裁判・国籍差別・歴史認識』(創史社、2005年)、『在日外国人-法の壁、心の溝』(岩波書店、1991年/新版、1995年/第三版、2013年)、『「共生」を求めて-在日とともに歩んだ半世紀」』(中村一成編、解放出版社、2019年)、共著に『グロ-バル時代の日本社会と国籍』(明石書店、2007年)、『戦後責任』(岩波書店、2014年)など多数。
- 第130回
- 2025/2/8
- 李 大佑(京都市立向島東中学校教員)
- 「マイノリティの星になりたい-在日コリアン教師<本音と本気>の奮闘記」に込めた思い
1980年、京都市伏見区生まれ。京都市立伏見工業高校、花園大学社会福祉学部卒業。現在、京都市立向島東中学校教員。ライフワークは講演活動、趣味はJ-POP名曲採集。好きな言葉は「常に風を背に受け 顔には太陽の光を 運命の風に乗って 星と踊れるように」。著書に『マイノリティの星になりたい-在日コリアン教師〈本音と本気〉の奮闘記』(明石書店、2023年)。
- 第131回
- 2025/3/8
- 紀 旭峰(早稲田大学非常勤講師)
- 朝鮮人留学生・柳泰慶が構想したアジアの言論空間-百年前の雑誌『亜細亜公論』
台湾台南市生まれ。専門は東アジア近代史。現在、聖心女子大学・東京女子大学・早稲田大学非常勤講師。著書に『大正期台湾人の「日本留学」研究』(龍溪書舎、2012)。主な論文・共編著に「大正期台湾人留学生寄宿舎高砂寮の設置過程」(『日本歴史』722号、2008)、『亜細亜公論・大東公論(復刻版・全3巻)』(龍溪書舎、2008)、「植民地台湾からの「留学生」郭明昆-知の構築と実践を中心に」(『植民地帝国日本における知と権力』思文閣出版、2019)、「在京台湾人留学生と朝鮮人との「連携」- 『亜細亜公論』に見られる反植民地統治運動」(『東アジアのなかの二・八独立宣言-若者たちの出会いと夢』明石書店、2020)。
- 第132回
- 2025/4/5
- 山口祐香(九州大学韓国研究センター助教)
- <朝鮮通信使>と戦後日本-在日コリアン歴史家・辛基秀の歴史実践を手がかりに
佐賀県生まれ。2021年、九州大学大学院地球社会統合科学府博士課程修了。九州大学アジア・オセアニア研究教育機構学術研究員、ソウル大学日本研究所客員研究員、神戸大学国際協力研究科特命助教などを経て現職。専門は戦後韓日関係史・在日朝鮮人史・市民運動史。論著に「歴史実践としての朝鮮通信使関連文化事業-韓国側の取り組みを中心に」(『インターカルチュラル』17号、2019年)、「1970-80年代日本の市民運動史における映画『江戸時代の朝鮮通信使』と上映運動」(『コリアン・スタディーズ』10号、2022年)、『「発見」された朝鮮通信使-在日朝鮮人歴史家・辛基秀の歴史実践と戦後日本』(法律文化社、2024年)など。
- 第133回
- 2025/5/17
- 樋口雄一(元高麗博物館館長)
- 日本の敗戦直前の在日朝鮮人社会-強制動員者の「逃走」と「帰鮮」希望者の急増
1940年生まれ。元高麗博物館館長、中央大学政策文化総合研究所客員研究員。著書に『協和会-戦時下朝鮮人統制組織の研究』(社会評論社、1986年[増補改訂版2023年])、『協和会関係資料集』1~5(編・解題、緑蔭書房、1991年)、『戦時下朝鮮の農民生活誌』(社会評論社、1998年)、『戦時下朝鮮人労務動員基礎資料集』1~5(編・解題、緑蔭書房、2000年)、『戦時下朝鮮の民衆と徴兵』(総和社、2001年)、『日本の朝鮮・韓国人』(同成社、2002年)、『金天海-在日朝鮮人社会運動家の生涯』(社会評論社、2014年)、『植民地支配下の朝鮮農民』(社会評論社、2020年)、『戦時末朝鮮の農政転換-最後の朝鮮総督・阿部信行と上奏文』(社会評論社、2024年)など。
- 第134回
- 2025/6/7
- 玄 武岩 (北海道大学教授)
- ドラマ『パチンコ』にみる在日の表象
1969年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。現在、北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院教授。専門はメディア文化論、日韓関係論。著書に『韓国のデジタル・デモクラシー』(集英社、2005年)、『統一コリア-東アジアの新秩序を展望する』(光文社、2007年)、『コリアン・ネットワーク-メディア・移動の歴史と空間』(北大出版会、2013年)、『「反日」と「嫌韓」の同時代史』(勉誠出版、2016年)、『〈ポスト帝国〉の東アジア-言説・表象・記憶』(青土社、2022年)、共・編著に『興亡の世界史18 大日本・満州帝国の遺産』(講談社、2010年)、『〈日韓連帯〉の政治社会学-親密圏と公共圏からのアプローチ』(青土社、2023年)、『グローバルな物語の時代と歴史表象- 『PACHINKO パチンコ』が紡ぐ植民地主義の記憶』(青弓社、2024年)など。